尖閣諸島周辺海域で、中国による「領域侵犯」「領海侵入」というニュースを目にする機会が増えました。
この「領海侵犯」と「領海侵入」の違いは何でしょうか?
まず「領海侵犯」と「領海侵入」の「侵犯」と「侵入」について
「侵犯」とは
読み方:しんぱん
意味:他国の領土、権利を侵すこと、不法に立ち入ること。
「侵入」とは
読み方:しんにゅう
意味:他の領分へ無理やり入り込むこと。
では「領海侵犯」「領海侵入」とは?
「領海侵犯」とは
意味:領海へ不法に立ち入ること。
報道などメディアで用いられる用語で、法的な言葉ではありません。
ただし「領空侵犯」となると国際法での規定があります。
「領海侵入」とは
意味:他国の船舶などが領海へ許可なく入ること。
領海侵犯と領海侵入は同じ意味です。しかし「領空侵犯」のように国際法上、不法行為に当たると表現したい場合、「領海侵犯」を使っているようです。
ちなみに、英語で「領海侵犯」と「領海侵入」は
「intrusion into territorial waters」や「invasion of territorial waters」
「領空侵犯」は「airspace incursion」です。
また、世界では『海は世界共通の資源』の大前提のもと「無害通航権」という制度があります。
秩序や安全を害さない限り、他国の船舶が領海を通航できるというものです。
これにより、他国の船舶や軍艦が事前連絡なしに領海に入っただけでは領海侵犯には当たりません。
侵入だけで侵犯にならないのが世界の海なんですね。